2021年買ってよかったものBest10
新年あけましておめでとうございます。
早速ですが、2021年に買ったものの中で「これは本当に良かった。ぜひおすすめしたい。」と思えるものを厳選してみました。
楽天、Amazon、無印良品、IKEA、UNIQLO、iHerb…あらゆるネットショッピング、リアル店舗の購入履歴を振り返ってみましたが、金額を計算したくないほど買い物をしていて、元旦から衝撃を受けました。でも、多分今年もめっちゃ買い物すると思う。
第一位 タキビダウンジャケット/NANGA
ずっと欲しかったナンガの焚き火ダウンをついに購入。2年前に夫の焚き火ダウンを買いに、ナンガの本社がある滋賀県まで行きましたが、お店の方も本当に親切に色々教えてくださって、次は絶対に私のダウンも買うぞ!と心に決めていました。
もともと布団縫製から始まった会社で、寝袋なども手掛けているためダウン製品の品質に間違いはありません。焚き火ダウンは、難燃性の素材を使用していて、ポケットもたくさんあるのでギアを入れるのにも便利。シンプルだけど細かい部分のディテールが凝っているので、アウトドアだけでなくタウンユースにもピッタリです。個人的には、いわゆるダウンジャケットやコートみたいなツルツル・シャカシャカした素材感ではないのがめちゃくちゃツボ。
去年は好みのカラー展開ではなかったため、いったん見送り、ようやく今年のラインナップにドンピシャなベージュがあったので予約購入しました。キャンプにも着ていきましたが、めちゃくちゃ暖かいし、12月に入ってグッと寒くなってきたここ最近でも、これを羽織ればすぐ出かけられます。これは文句なしに買ってよかった第一位です!!冬のアウター、特にダウンを検討している方にはNANGAの製品はぜひ一度覗いてみていただきたいです。
第二位 スマホ防滴ケース/3COINS
YouTubeやTVerなどを見ながらお風呂に入りたい、という欲望をワンコインでお手軽に叶えることができました。操作性だけは、ややストレスを感じる(フリック入力がスムーズにいかない)ので、お風呂の中で文章を書いたりなどスマホをずっといじる、というよりは音楽や動画を見るためのものとして使う方が良いかもしれません。人気すぎて現在入荷待ちだそう。私も購入する時はラスイチをゲットしました。
第三位 スマホ車載ホルダー
100均のエアコンの吹き出し口に装着する簡易的なやつを使っていたのですが、度々落下するのにいい加減プチストレスが限界になり、本格的な車載ホルダーを購入。100均の何十倍もしますが、絶対買ってよかったです。車のナビよりGoogleマップ派なので、スマホで案内してもらいたい時はしっかりと固定されて安全だし、角度の調節もしやすいからとても見やすくて便利。何よりホルダーに装着するだけでバッテリー充電されるのが便利すぎます。(ホルダーとシガーソケットはケーブルで繋いでます。)
第四位 ジカロテーブル/snowpeak
第五位 焚火台/snowpeak
今年はキャンプの大物ギアを結構入れ替えたのですが、中でもスノーピーク のテーブルと焚き火台は買ってよかったBest10入りです!
今まで使っていたテーブルは、木製のロールトップテーブルで、組み立ても大変なわけではなかったのですが、子どもたちが大きくなりテーブルの高さが若干食べにくそう…と思いはじめ、ジカロテーブルに買い替えました。ステンレスはお手入れも楽だし、焚き火台との統一性もあって大満足です!
焚き火台も、今まで使っていたものはチタン製でおしゃれだったのですが、サイズが小ぶりすぎて手狭になってきたので、テーブルと一緒に買い替えました。重量は一気にあがりましたが、家族4人テーブルを囲みながら暖まるのに最適なので、こちらも買ってよかったです。
キャンプブームと言われて久しい昨今ですが、もし今からでも始める・または買い替えたいと思っている方には「被りたくないとか、ブランドがどうとか、色々あるかもしれないけど、ど定番が一番使いやすいよ。」とお伝えしたいです。
第六位 ステンレスマッシャー/無印良品
ネットショッピングしまくっている私が言うのも何ですが、あまり家にモノを増やしたくありません。来客者にもよく「いつもスッキリしてて、子どもがいる家とは思えないほど片付いてるよね!」と言っていただけるくらいには、わりとミニマリストに近いとは思います。なので、キッチン用品ももちろん最低限でありたい。マッシャー?そんなもんなくても、フォークで潰せばええやろ!!と思っていた過去の私にそっと差し出してあげたい。なぜ、もっと早く買わなかったのか。
ポテトサラダ→カボチャサラダ→さつまいものサラダ(どれも野菜は蒸して、ゆで卵と一緒に潰すだけのレシピ)をルーティン化している我が家ですが、サラダ作りの時間が格段に短くなりました。ほんと、すぐ潰せる。
第七位 Apple WatchSE/Apple
第八位 iPhone 13Pro/Apple
4年使ったiPhoneをようやく買い替え、そして念願のApple Watchデビューを果たしました。
最初にiPhoneを買い替えて、その時に勢いでProにしちゃったけど、時間を確認するためだけにポケットから取り出すのがまあ億劫。(腕時計全然使わない人)LINEやメール確認するのも同様。どうにかならないもんかと思っていたら、夫がApple Watchをプレゼントしてくれました。(※なので厳密に言うと買ってよかったではないため、そこだけはすみません。)
Apple Watch、めっっっちゃ便利。多分、5%くらいしか使いこなせてない気がするけど、なんていうかデキる大人って感じ?完全にカタチから入るタイプです。一番便利なのは、Apple Watch着けて寝ればアラームを鳴らすことなく自分だけ起きられること。あと、Apple Watch着けるようになってから、就寝時にiPhone持ってベッドに行かなくなったので、寝る前にスマホいじる時間が自ずと減りました。
いろいろとAppleの策略にハマっている気がしないでもないけど、これらがなかった時にはもう戻れないので生活の中に上手に取り入れていこうと思います。
iPhone13Proは、サイズはデカいけど動画見るにはめちゃくちゃ良いし、ちょっとした写真ならこれで充分なので、QOLはめちゃくちゃ上がりました。
第九位 ストレッチ天竺編みサニタリーボクサーショーツ/無印良品
スキンケアだのメイクだの、冷え対策、ホルモンバランス、更年期…何ですかね、羅列するだけでこの大変そうな感じ。でも、それぞれにお気に入りが見つかればだんだん快適に、楽しくなっていくハズ。特に、サニタリー用品については貪欲に自分に合うものを見つけるのがいかに大切か、ようやく理解してきました。
もともと生理痛は重くない方なので、特にこだわりもなく毎月適当にやり過ごしていたのですが、30歳を超えてからはもう少し自分の身体を労ろう、と思い始め色々と試しています。
サニタリーショーツは、生理期間一番お世話になるものなので自分の体型に合ったものを身につけるだけで快適さが全然違います。私はおそらく骨格ナチュラルだと思うのですが(ちゃんとした診断は受けたことがないため素人判断です)ボクサータイプの方が、鼠蹊部があまり締め付けられず身体に合っている気がします。また、ナプキンが全然ずれないのでショーツを汚してしまうことがほぼ無くなりました。素材もチクチクしないので、これ以外のサニタリーショーツはしばらく考えられません。
第十位 フェイスポインター/CORE FIT
ここ数年拝読しているブログの執筆者がずっと激推しされていたのですが、とうとう年末に勢いで購入してしまいました。まだ使い始めて2週間ほどですが、使うと顔の輪郭が少し締まってくるので今後の期待も込めてBest10入りにしました!
以上、2021年買ってよかったものBest10のご紹介でした。当たり前ですが、値段云々ではなく生活の質を上げてくれるものや、趣味に直結するものが気に入る傾向にありますね、私は。こうして書き出してみると、自分自身の振り返りにもなって面白い。
それでは、2022年も良いものに巡り会えますように!
10年越しにスッキリした話
今日は所用で、空港に行ってきた。夫が用事で数日間家を空けており、そのお出迎えをしに子どもたちを引き連れて外出した。
そして、私にはもう一つどうしても済ませたいことがあった。それは、外国コインの募金だ。
もう10年以上前になるが、オーストラリア・タイ・カナダ・ドイツと、ホームステイや新婚旅行などで訪れた国のコインがいまだに手元にあったのだ。
もちろん、紙幣やトラベラーズチェックはすぐに日本円に両替したのだが、コインだけはどうにもできなかった(その当時は)。学生の頃は、記念になるしいいか…と取っておいたのもあったが、ここ数年は本当にどうにか処分したいとぼんやり私を悩ませ続ける存在になり下がっていた。
海外の余ったコインを募金できる箱が設置してあるのに気が付いたのはいつかの旅行帰りの時だった。その時は、後で入れにくるか、または他の場所にも募金できるところがあるだろうと甘い考えでいたら結局家に持ち帰るハメになってしまった。
数年前に友人の結婚式に出席するため沖縄へ行く機会があり、このチャンスは絶対に逃さない…必ずこのコインたちを空港に持っていくぞ…!!と小銭入れにまとめておいたのに、その小銭入れを荷物に入れ忘れてしまった。たったそれだけのことだが、せっかくの貴重な機会を失ってしまい、ひどく悔しい気持ちになった。
ただの海外のコインなのに、ずーっと心のどこかに魚の小骨のように引っ掛かっていた存在だった。
いっそのこと、何も用事がないのに空港まで行こうかと思うときもあったが、そこまで近い距離ではない。むしろかなり遠い。コインのためにわざわざそこまでの手間は取りたくない。
処分はしたいけど、こいつのために労力を捧げるのではなく何かのついでに簡単に済ましてしまいたい。
それも、棄てるとか簡単な方法ではなく、少しでも何かしらの役に立つ方法にしたかった。というのも、海外のコインとはいえお金を棄てるというのは少なからず抵抗があったからだ。そうなると、募金しかない。
いつか、また空港に行く機会があればその時は必ず持って行こう、と引き出しの奥にしまってあった、オーストラリアドル、バーツ、カナダドル、ユーロたち。前置きがとても長くなったが、ようやく今日「その時」がやってきたのだった。
夫の搭乗する飛行機の到着が予定時刻より早めに空港に着き、子どもたちとお昼ご飯を済ませてからお土産やさんなどに立ち寄った。腹ごなしも済み、いよいよ募金箱を探す。子ども連れのためムダな動きはなるべく避けたいと思い、インフォメーションセンターで募金箱がどこかにないか聞いてみることにした。案内係の方は即座に私の意図を理解してくださり、さっそく場所の案内をしてくれた。ただ、募金箱は今はもう設置していないようで、それに類似する機械の存在を教えていただいた。
pocket changeというロッピーやファミポートみたいな機械で、なんとこれに外国のコインを入れるだけで希望の電子マネーに交換できたり、寄付ができるというまさに私のニーズにピッタリの機械だった。時代の進歩を感じずにはいられなかった。
小銭入れの中のコインたちをジャラジャラと入れていくと、とてもスッキリとした気持ちになった。10年以上私の頭に刺さっていた魚の小骨のような存在がどんどんなくなっていく。
最終的に、日本円にして189円分の電子マネー・そして37枚という結構な枚数が認識不可(おそらく今はもう流通していないなどの理由だと思う)となってしまったが、こちらは寄付にまわすことができた。寄付する団体も選択でき、寄付したくなければ返却も可能だった。
小銭入れが空っぽになり、電子マネーの交換コードが書かれたレシートが出てきたとき、むしろ申し訳ない気持ちになった。本当は全部寄付したかったのに、一部が電子マネーとして使えるお金に戻ってきてしまった。一瞬モヤっとしたが、いや元々は自分のお金だったのだから良いのでは?と考えたら、すぐに晴れ晴れとした気持ちになった。
年末のこの時期に、10年以上どうにかしたいと思っていたものがスッキリして、189円のお金になり、さらにはユニセフへ寄付することもできた。大掃除を終えるよりも充実した気分で夫をお出迎えするゲートへと向かった。いまだに我が家の大掃除は何一つ終わっていないけれど。
と、ここまで書いていて思ったが、カテゴリーを「インドア」にしたけど、よくよく考えてみたら外に出ているので全然インドアではなかった。が、まぁそのあたりはご愛嬌ということでお許しください。
そして、もし、私のように外国のコインや紙幣を持て余している方がお見えだったら、一度pocket changeの端末が近くにないか、探してみてはいかがでしょうか。
プロモーションコード:9986836
を入力すると、取引レートが良くなったりするそうなので、ご利用のかたがいらしたらお使いください。
夫婦と音楽の話
先月、2年ぶりぐらいにライブを観に行った。夫と2人で出かけたのだが、夫婦でライブハウスに行くのはコロナ禍になるよりも前が最後だったので、もう本当に久しぶりだったと思う。
私自身、小さい頃から音楽はわりと好きな方だった。テレビで好きな音楽がかかると、自分の声が録音できるクマの形をしたおもちゃで録音し、何度も聴いていた。周囲の声を拾ってしまうため、家族には静かにしていて欲しかったのだが、兄に邪魔をされて憤慨しつつも、頑張って録音を続けた。いや母よ、CDの存在を教えてあげて。
小学生の頃はLINDBERGやPERSONZ、スピッツなどのバンドが好きで、もう少し大きくなるとハイスタなどのメロコア系のバンドに完全にハマり、高校も「軽音楽部があるから。」という理由だけで志望校を決めるような中学生だった。どこかへ出かけるときは必ずウォークマンを持ち歩き、とにかく常に何かしらの音楽を聴いているような子供だった。
大学時代に出会った彼、後の夫なのだが、最初に音楽のことで話が盛り上がって、そのまま付き合いが始まる、というオーソドックスな出会いだった。その後すぐ、夫に教えてもらったビートクルセイダースにどハマりし、県内のライブだけでなく県外やビークル が出演するフェスなどに2人でたくさん参戦した。
社会人になってからも新譜が出たら2人で盛り上がり、結婚式の入場曲も大学時代に「結婚したら絶対にこの曲で入場しようね。」と決めたビークルのBE MY WIFEを流した。
音楽は私たち夫婦をつないでくれて、ビークル はたくさんの思い出を作ってくれた。
そんなビートクルセイダースが2010年に散開(解散)し、最後のライブに行ってから1ヶ月後ぐらいにお腹に赤ちゃんがいることがわかった。
ビークル 以外にも好きなバンドはたくさんあったが、身体のことを考えてもライブに行けなくなるしなんとなく個人的にはよいタイミングでの解散だった。
そして2011年に出産、その半年後に元メンバーであるthaiこと田井ヒロユキさんの訃報が流れた。
アーティストが亡くなる話は珍しいことではないし、ましてやthaiさんの場合は元・ビートクルセイダースという立ち位置であり、もはや一般人なのにも関わらずネットニュースになり、偲ぶ会と称したライブイベントも行われた。
補足しておくと、ビートクルセイダースはヒダカトオルを中心に結成されたバンドで、4人編成のインディーズ期(旧面)と5人編成のメジャー期(新面)に分かれている。私たちがライブに行きはじめたのは新面になってからなので、インディーズ時代の楽曲はあまりライブで聴くことはできなかった。
ビークル が解散する、となった時もあまり驚かなかった。「5人でやれることはやりきった。」という言葉は、それ以上でもそれ以下でもないことを端的に表していたと思う。
さて、冒頭の夫婦でライブに行った話に戻るが、この日に行ったのは『Saturday Good-Bye 2021』という、thaiさんが亡くなった11月26日付近に追悼の意を込めて毎年開催しているライブだった。
ヒダカさんとumuさんがそれぞれアコースティックライブを披露し、最後にarakiさんが加わりバンドセットになった。thaiさんが亡くなって10年目の節目ということで、サタグバは今回で一旦終了になるとのこと。一区切りになる今夜が、ビークル の楽曲をバンドで聴ける最後になるかもしれない。そう考えたら、ライブハウスの空気もどことなくしんみりと、でも今この瞬間を楽しもうという雰囲気に包まれていた気がする。
E.C.D.T
DERIDE
BALK
初っ端ノンストップの3曲は、1stアルバムからの、そしてベストアルバムの曲順だった。
一部のインディーズ期の曲は、新面になってからも演っていたけど、それでも私たちが行ったことのあるライブでは聴けなかった楽曲の方が断然多い。
WINDOM
FIRE STARTER
SAD SYMPHONY
HAMBURG
EYES IN THE SKY
SECOND THAT EMOTIONS
ようやく聴けたLASTRUM時代の楽曲たち。
ここにthaiさんがいたらなぁ、とか野暮なことは思うまいと心に言い聞かせていたけど、arakiさんがドラムを叩きながら、
thaiさんのパートだったキーボードの部分を口で歌ってたり、
「みんなの頭の中でも鳴ってるでしょ?」
って煽ってくるもんだから、とうとう涙腺が崩壊してしまった。
音楽を続けるということ、さらにはそれでメシを食う、家族を養うというのは想像よりはるかに大変なことだと思う。
ヒダカさんもMCでインディーズ時代の裏話やセンシティブな発言をしており、業界の過酷さを垣間見たような気がした。ヒダカさんがポツリと言った「ぶっちゃけインディーズ時代の曲のほうが俺は好きだけどね。」という言葉は、その真意をはかろうとするといろいろと大人の事情だったり、自分がやりたいこととの乖離だったり、裏ではさまざまな事情があったのだろうと察する。
そして、オーディエンス側もまた、好きなものをずっと好きで居続けるということは相当なものだと個人的には思っている。
どのライブにも欠かさず参戦する熱狂的なファンもいれば、CDは持ってるよというライトな層ももちろんいるだろう。ただ、「好きだった。」と過去形になったとき、現状の好きからは離れてしまうと思うし、それを無理やりつなぎ止める術は正直存在しない。だからこそアーティスト側は活動をし続けるしかないし、好きでいてもらえるかどうかはオーディエンス側に委ねるしかないというのは本当にシビアな世界だ。
だけど、私たち夫婦にとっては、ビークルは過去のものではないし、BEAT CRUSADERSが種となり、芽が出て、今も2人で楽しみ続けている。なかなかライブに行くのは難しいけれど。
この日のライブは私たち夫婦の中で間違いなく『人生で最も思い出に残るライブ』になった。ビークル がいなかったら、私たちは結婚することもなかっただろう。子どもたちが生まれることもなかった。ビートクルセイダースがつないでくれた縁を、我が家はこれからも紡いでいこうと、この日の夜改めて思った。
子どもの頃に大好きだったお菓子とパンの話
もう二度と味わえないだろうけど、小さい頃に食べた忘れられない味が2つある。
ひとつめは、市販のチョコレートのお菓子。
ふたつめは、駅前にあったパン屋さんでよく買ってもらったバタークリームのパン。
チョコレートのお菓子は、どこのメーカーかも忘れたけど、母親がコンビニで買ってきてくれたものをおやつに食べたら、あまりにも美味しすぎてその場で懇願して、2個めを買いに走ったおぼえがある。
ひとくちサイズでもなく、板チョコでもない、変わったかたちをしていて、ミルクチョコレートの中にクラッシュアーモンドが入ったうす型のチョコ菓子で、5枚入りだったような気がする。しかも、5枚ほどしか入っていないのに、200円くらいの、1990年代その当時にしてはなかなかいいお値段だったと記憶している。
しばらくは気に入っておやつにたびたび買っていたのだけど、いつの間にか販売終了になってしまったのか、お菓子売り場の棚から見かけなくなってしまった。
ときどき、ふと思い出しては、どこのメーカーだったかだけでも調べたいなぁと思いつつ、ネットを検索しても手がかりが少なすぎるため、頭の中の記憶が蘇るだけで終わってしまう。
そして、ふたつめのバタークリームのパン。
小さい頃、神奈川に住んでおり、駅前のベルベというパン屋さんでよく買っていたパンで、コッペパンのような形をしていて中にバタークリームが挟んであり、上からチョコレートがかかった、とにかく甘くて美味しいパンだった。
この”バタークリーム”というのが、なんともまたノスタルジックで、今ではパン屋でもケーキ屋さんでもほとんど見かけなくなってしまった。一説によると、いろんな技術の発達により、飲食物の長期保存が可能になってきたため、保存期間は長いが手間のかかるバタークリームより、生クリームが主流になってきたから、という理由らしい。
新しいパン屋に立ち寄るたびに、バタークリームのパンはないか…と探してはみるものの、ベルベのバタークリームパンを超えるどころか、バタークリームのパンそのものがほとんどない。
だったら、自分で作ってみればいいんじゃない?と思い立ち、何度か似たようなものを作ってはみたものの、記憶の中の味を超えられたことはない。
きっと、どちらも”二度と味わうことができない”というフィルターがかかって、ハードルがあがっていることは間違いないと思う。
今の時代、バタークリームのパンやアーモンド入りのチョコレートの味に近いもの、またはそれ以上に美味しいものはたくさんある。
だけど、もう二度とあれらが売っていた時間に戻ることはないのだ、という事実によって、時折無性に、あの大好きだったお菓子とパンにまた出会いたいと思ってしまうのであった。
今回なぜこの日記を書こうかと思い立ったのか、その理由は先日こんなニュースを目にしたからである。
ベルベがまだ神奈川を中心に関東では出店を続けていたことは知っていた。ここ数年はなかなか行けてなかったが、今度お墓参りに神奈川に行けたら、ベルベの店舗を探してみようと思っていた。
だけど、いつかまたベルベのバタークリームパンを食べられる可能性が、まだ2%くらい残っていると勝手に思っていたのに、これではもうほぼ0%になってしまった。
しかも社長が夜逃げって。一番最悪のパターン。
実際に応募したことはなかったけど、いつか探偵ナイトスクープにでもお願いして「子どもの頃に食べて忘れられないあの味を探してほしいんです!」って調査依頼したかったのに。探偵どころではなくなってしまった。
もはや、最後の頼みの綱は、クラッシュアーモンド入のチョコレート菓子である。記憶の中の味として一番近いものは、ポッキーのアーモンドクラッシュという種類の、プレッツェルがない=チョコの部分だけを食べているイメージなので、このプレッツェルがなければ最高なのだが、どうにか作れそうだよなぁ…
と思いながら、明治のマカダミアチョコレートを食べると、美味すぎてだんだんクラッシュアーモンド入りのチョコ菓子のことを考えるのが面倒くさくなり「これでいいや。」となってしまうのだった。